現在の使いすてカイロの原型は1950~1953年頃までさかのぼります。
鉄を急速に酸化させれば熱を発することが分かっていたため、寒い朝鮮半島で戦うアメリカの兵隊は水筒のような容器に鉄の粉と食塩を入れてカイロとして利用していました。
それを日本人が工夫して、現在の使いすてカイロが生まれたのです。
カイロは日本生まれの日本独自の保温具。石を温めて懐に入れた江戸時代の「温石(おんじゃく)」がルーツといわれています。明治時代には、麻殻や殿炭粉を袋に詰め、または練って容器の中で燃やす「懐炉灰」が使われるようになりました。大正時代にはいると、ベンジンの気化ガスと白金の触媒作用を使って燃焼させる「ベンジンカイロ」が登場し、一般的に使われていました。1950~1953年頃厳寒の朝鮮半島で戦うアメリカ兵の間で水筒のような容器に鉄の粉と食塩を入れて発熱させる保温具が使われていました。それを日本人が工夫して、現在の使いすてカイロを作りだしたのです。
1978年に、袋から取り出して振るだけで温かくなる使いきりタイプのカイロが商品化されると瞬く間に普及し、ベンジンカイロに取って代わりました。1981年に『貼らないタイプ』のミニサイズ、1988年に『貼るタイプ/レギュラー』が登場するとたちまち普及し、消費量は一気に拡大しました。
1980年代の後半には、『くつ用』『座布団用』『くつ下用』『中敷用(インソールタイプ)』『スリッパ用』『きんちゃくタイプ』など用途別、受験生向けの『必勝カイロ』やパッケージにキャラクターをデザインしたファンシー商品も種々登場し、若い女性や子供の使用が大幅に増えました。この頃には日本の冬の必需品として私たちの生活にしっかり定着したのです。
1991年、使いすてカイロの暖かさを健康に役立てる「カイロ健康法」が話題になり、各メーカーがこぞって「健康」をテーマにした商品開発に力を入れるようになりました。このころから、冬だけでなく一年を通して利用するようになってきました。
1991年に日本カイロ工業会設立10周年を記念して使い捨てカイロの需要がピークを迎える12月の最初の日の「12月1日をカイロの日」と制定しました。